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京ガス闘争・勝利的和解で解決
2月28日 大阪府労働委員会で協定書に調印
06年8月28日に突然の事業閉鎖通知から丸半年間、稀に見る大きな倒産争議を闘ってきた京ガス闘争は、2月28日午後9時過ぎ、勝利的内容で全面的に解決した。
申立人組合は昨年11月20日の申し入書で、自立支援金として2年分の年収保障、屋嘉比の賃金差別是正等を要求し、府労働委員会で和解交渉を続けてきた。しかし、親会社ダイダンは、不用意に引き伸ばし、「京ガスとは話をするが、組合とは話し合わない」と調査の席で公言するなど不当労働行為の上塗りを行い、前向きな解決案を出そうとはしなかった。労働委員会は、労働側委員の強い働きかけによって、1月23日から毎週調査を入れるという異例のスピードで和解交渉を続けた。そして、終に解決に至った。
解決金は、組合員33名の1年分の年収保障と、屋嘉比が求めていた控訴審での和解解決以後の賃金是正と退職金差額全額である。解決金総額の中には「申立人おんな労働組合の組合員屋嘉比ふみ子が、2005年7月1日以降の男女賃金格差(差別)を是正するために京都地裁判決(2001年9月20日)の趣旨を踏まえたとして、京ガスに対し(中略)支払いを求めている差額賃金支払い請求ないし損害賠償請求についての解決金を含む」と明記された。
「同一価値労働同一賃金原則」の実践として、わずか17か月分であるが、差別賃金格差と退職金の差額も含めて100%の是正を勝ち取った。
画期的なことは、解決金を33名の組合員全員に一律で支払うことを3労組が合意したことである。これはかなり議論を尽くした部分である。組合員の中には様々な意見が飛び交った。しかし、「均等待遇」を目的に運動する私としては譲れないことであり、「解雇された後の運動には勤続年数も職種も関係なく、誰もが一丸となって団結してきたのだ」と説得し共に確認し合い、最終的に平均賃金を均等に分配ということにした。勤続40年の人も、1年の人も同額の自立支援金である。
また、私が1994年から団交、府労委、裁判を通して13年間闘ってきた男女賃金差別事件について根気良く説明し、議論する中で共通の課題にして闘いきれたことは大きな成果だった。
26年間勤務し、83年の解雇争議から24年間一人で職場闘争を闘ってきたが、倒産争議を通じて男女差別の犯罪性を男たちが少しでも理解し、最後にようやく横並びになれたことがこの争議の最大の意義かもしれない。
それにしても四半世紀を過ぎた長過ぎる闘いだった。
06年10月からは、毎日欠かさずダイダン大阪本店申入れ行動を続け、また社長宅や、東京本社申入れ行動も同時に行った。11月30日解雇された後は24時間体制で職場占拠闘争もやり抜いた。
京ガスには20代から70代まで様々な労働者がいるが、どの年代においても、また性別を問わず、労働者が解雇という形で仕事を失うことは、基本的人権である労働権と生活権を奪われることである。「人としての尊厳」をかけて、男女賃金差別是正も含め、労働者としての誇りを取り戻すために最後まで果敢に闘ったことは自らの人生を変えるだろう。またスタンスの違う3労組が目的をひとつにし、団結の力で勝ち取った輝かしい勝利でもある。
私としては、団結するのが遅すぎるという思いはぬぐいきれないが・・。
33人の組合員が隊列を崩さず半年間も闘い続けられたのは、おんな労組が加盟する関西ネット、地元で中心になった洛南ユニオン及び洛南労組連、均等待遇アクション21京都の仲間、また様々な全国ネットによる全国的な規模での熱い連帯と支援のお陰である。
多大なご支援を頂きましたみなさま方には、心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。 (ふ)