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記事のトップ > ACW2からのお知らせ「労働契約法案」及び「労働基準法の一部を改正する法律案」への要望書
2007.6.4
衆議院議員
参議院議員 各位
働く女性の全国センター(ACW2)
東京都渋谷区代々木1-19-7
Tel 03-5304-7383
Fax 03-5304-7379
e-mail: office@acw2.org
「労働契約法案」及び「労働基準法の一部を改正する法律案」への要望書
日頃から、皆様の男女平等推進へのご尽力に敬意を表します。
私たち「働く女性の全国センター(ACW2)」は、労働組合組織ではなく、女性が一人でも豊かに生活できる賃金を確保すること等を目指して今年1月に結成されたNGOです。
「労働契約法案」及び「労働基準法の一部を改正する法律案」が国会で審議されていると伺っております。私たちは使用者側が一方的に設定する就業規則万能型の労働契約法には大きな危惧を覚えております。私たちが行った就業規則の実態調査では「就業規則」を見たことがない人たちが30%もいることが分かっています。
働く女性たちへの実効ある法整備に向けて、拙速な法案審議をなされることのないよう、下記のとおり要望いたします。
記
第九条の但し書き及び第十条の削除を要望します
法案の条文
第9条
使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。
第10条
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。
私たちの意見
使用者は、労働者の合意がなくても、
1. 変更内容の周知
2. 労働者の不利益の程度
3. 変更の必要性
4. 内容の相当性
5. 労働組合等との交渉
などを勘案して、「合理的」と判断されると一方的に就業規則を変更し、労働条件を変更することができるため、使用者の都合のいい変更だけをされかねません。
"労働契約法制"で働く女性は救われるのか
働く女性の全国センター(ACW2)では、インターネット上で就業規則の変更が民主的手続きを経て行われているか,そもそも就業規則は知っているか,などについて調査を行いました。
「就業規則」を見たことが無い人が30%もいます。
Q4.就業規則を見たことがあるか
Q5.就業規則をいつでも見られるか
30%の人が、就業規則を見たことがなく、25.5%が職場で就業規則にまったく触れることができません。合理的な理由はありません。
○就業規則が見られない理由は何か(抜粋)
・社内ネットワークでしか見られないが、自分のPCは接続されていない・管理職が持っているため、見せて欲しいと言い出しにくい・作っていないから・上層部がいつの間にか変更され、コピーが欲しいといったら、拒絶された・専務の許可がないと見せられないといわれた。誰も見たことがない。
○就業規則変更の際,従業員代表を決めているか
労働契約法案は、このような深刻な状況に対応しているとは言えません